分子のおもちゃ箱 memo

モンテカルロ直接法 DSMC(direct simulation Monte Carlo)

[モンテカルロ直接法とは]
 気体分子の平均自由行程が系の代表長さにくらべ、無視できないようになると、
連続体として気体の振る舞いを記述するNavier-Stokesの式が有効でなくなり、
より原理的なBoltzmannの輸送方程式が支配方程式となる。
 モンテカルロ直接法DSMC(direct simulation Monte Carlo)は
Boltzmannの輸送方程式を直接解くのではなく、
粒子の衝突、輸送過程を確率的にシミュレートする方法である。

[記号の意味]
dt(s) 時間刻み
n(個/m^3) 気体の数密度
σ(m^2) 衝突断面積
λ(m) 平均自由行程(λ=1/(n*σ))
Lc(m) 立方体セルの1辺の長さ
Vc(m^3) セルの体積 (Vc=Lc^3)
Nc(個) セル内の代表粒子数(Nc=20〜40程度)
FN (個) 1つの代表粒子で表される実際の分子数
Vmax(m/s) 相対速度の最大値(粒子速度の最大値の2倍)
Mc(回) dt時間内にセル内で衝突の起こり得る回数 (Mc=0.5*Nc*Nc*FN*σ*Vmax*dt/Vc)

[DSMCの計算手順]
1. 領域をセルに分割する。セルの大きさは平均自由行程より小さくなるようにする。 Lc<λ
2. Lc^3セル内に実際の粒子FN個につき1個の割合で代表粒子をNc個配置{ri}し、初速{vi}を与える。
3. 時間発展
(1) 粒子はdt時間にわたり衝突なしに並進する。 ri(t+dt) = ri(t) + vi(t)*dt
(2) 粒子を分割されたセルによって類別する。
(3) 衝突は同じセル内の代表粒子どうしが衝突する可能性があるとし、
  その頻度が実際の粒子系と同じになるように、セル内の代表粒子どうしを衝突させる。
 3-1 dt時間内に衝突の起こり得る回数Mc(=0.5*Nc*Nc*FN*σ*Vmax*dt/Vc)衝突を試行する。
 3-2 試行はセル内の粒子iとjをランダムに選んで、
  |vi-vj|/Vmax > Z(0〜1の一様乱数) の時のみ、衝突を実行する。
 3-3 粒子iとjの衝突から、確率的に、衝突後の速度viとvjを求める。


(created 2005.09.04, last updated 2008.02.08)
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